| ●退職者連合医療・福祉専門委員会から | |
![]() 社保審・介護保険部会「最終まとめ」 |
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退職者連合の要求は、介護保険部会でどのように議論されたか 退職者連合の主張と解説 |
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| 2011年は、介護保険制度の見直しが国会で論議になる。退職者連合は2010年12月2日の医療・福祉専門委員会で、社保審・介護保険部会の答申「最終まとめ」について意見交換をした。 退職者連合事務局(志田さん)からは、退職者連合が今夏行った政府要求に関連し、同介護保険部会でどのような議論があったかの報告をした。部会長の川端邦彦さん(自治退)は、介護保険部会が明らかにした「最終まとめ」に対し、評価と批判を提起、これを了承した。 以下は、その報告と評価・批判(部会長提起)のまとめ。見出しは、編者がつけた。 |
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退職者連合の要求は、介護保険部会でどのように議論されたか <退職者連合・2010年12月2日> 注:○印は、退職者連合の要求。*印は、介護保険制度の見直しに関する意見。赤字は判断。 |
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| 介護保険制度については、人間の尊厳を守るため社会化された介護を提供するという制度創設の理念を基礎に、必要なサービスが必要な時利用できるよう制度を整備すること。 ○医療保険加入者とその扶養家族を介護保険の被保険者とすること。 *被保険者範囲については、今後被保険者の保険料負担が重くなる中で、被保険者年齢を引き下げ、一人当たり保険料の負担を軽減すべきではないかと意見があった。一方で、被保険者範囲の拡大は、若年者の理解を得ることが困難であり、慎重な検討が必要である、との意見もあった。 (両論併記=介護保険の骨格を維持した上で議論。先送り。←不満 ○介護従事職員の人材確保のため、賃金をはじめとする処遇改善を図ること。 *処遇改善の実態を検証しつつ、平成24年度以降も必要な財源を確保し、処遇改善の取り組みを継続していくことが求められている。 介護職員処遇改善交付金は、本来的には、介護職員の処遇改善が継続できるよう、介護報酬改定により対応する方向で検討していくべきである。 *財源確保のため合意を得られない他の給付・負担に転嫁することには反対。 ○公費負担割合を6割以上に引き上げ、保険料の大幅引き上げを避けること。 *今回の改正においては、安定した財源が確保されない以上、公費負担割合を見直すことは困難である。 (両論併記=社会保障と財政あり方全体の中で議論。先送り。←不満 ○介護保険料を応能負担(各自の能力に応じて負担すること。特に、医療・介護・福祉サービスで、所得に応じて対価や保険料を支払うこと)に改めること。 *介護保険制度において、被用者保険の第2号被保険者(40歳以上65歳未満)の保険料について、被用者保険間の負担の公平性を図る観点から、総報酬割を導入する必要がある。 *総報酬割りの導入については、従来の保険料負担の基本的な考え方と仕組みを大きく変更するものであり、十分な議論なく財源捻出の手段として導入することに対して強い反対意見があった。 *保険料抑制とペイアズユーゴー記載、率化には言及なし。←不満 ○利用限度額を引き上げ、利用者の必要性を満たす給付とすること。 *ケアプランの見直し、サービスの導入等、次期介護報酬改定に向け検証を行い、介護給付費分科会において必要な対応を図ることが望ましい。 ○介護報酬の加算方式を改め、利用者、事業者にわかり易い簡素な制度にすること。 *部会で議論なし ○ケアマネジャーの公平性、中立性を担保するため資質向上、処遇改善を図ること。 *1.ケアマネージャーの独立性、中立性を担保する仕組みを強化していく必要がある 2.資質の向上については、より良質で効果的なケアマネジメントができるケアマネージャーの資格のあり方や研修カリキュウムの見直し、ケアプランの標準化等の課題について、別途の検討の場を設け議論を進めることが必要である。 3.居宅におけるケアプランの作成等ケアマネジメントについては、現在すべて介護保険給付で賄われており、利用者負担が求められていない。 4.利用者負担の導入については、ケアマネージャーによるケアプランの作成等のサービスは介護保険制度の根幹であり、制度の基本を揺るがしかねないこと。必要なサービス利用の抑制により、重度化につながりかねないこと――など利用者や事業者への影響を危惧する強い反対意見があった。 ○介護サービス利用認定について、認定区分の大括りを検討するとともに、認定の基準・システムを改善して利用者の必要性を満たすものとすること。特に認知症に関する要介護度を適切に評価すること。 *要介護認定については、必要に応じて介護給付費分科会などにおいて十分論議されることが望ましい。介護認定制度そのものについては、別途議論の場を設けるべきである。 (両論紹介、強い現状肯定、事務の簡素化・認知症評価の適正化には言及)←不満 ○生活援助の給付制限を改めること。 *介護保険制度の導入の目的の―つは、介護の社会化である。家族介護を当てにせずに在宅介護が遂行できる支援体制を整えることが望ましいが、家族によって介護が行われる場合であっても、介護保険により提供されるさまざまなサービス、地域における支援などを組み合わせて家族の負担を少しでも軽減し、仕事と介護の両立ができるよう支援を行っていく。 ○地域包括支援センターの体制を整備し機能を強化すること。 *地域包括センターの運営の円滑化をはかりとともに全中学校区を目指して拠点整備を進めていく必要がある。 *拠点整備・機能強化に言及、予防プランの分担は両論併記 ○利用者の原則定率1割負担を引き上げないこと。 *介護保険制度においても、限られた財源の中で高齢者の負担能力を勘案し、所得に応じた負担を求めることが適当であり、一定以上の所得のあるものについては両者負担を、たとえば2割に引き上げることを検討すべきである。→反対 *一方、介護保険は区分支給限度額が設けられているなど、医療保険とは異なる仕組みであり、負担増を求めることは慎重であるべきの意見があった。 ○利用者本位で地域医療と介護連携サービスを実現し、介護難民を作らない施策を講ずること。 *部会で議論なし ○特別擁護老人ホーム、認知症高齢者施策、高齢者向け住宅など不足しているサービスについては、今後の需要増を見込んで計画的充足を図ること。 1.小規模多機能型サービスは平成18年度に創設されて以来、日々状態が変化する認知症を有する人に対応して、多様なサービスを柔軟に提供できるサービス類型として評価している。 2.複合型のサービスとして小規模多機能型居宅介護と訪問介護を組み合わせるなど複数のサービスを一体的に提供する複合型のサービスを導入していく必要がある。 3.24時間地域巡回型訪問サービスの実施‥・速やかに体制を整え実現すべき。 4.高齢者向けの住宅を計画的に整備し、介護サービスや生活支援サービスと連携を図っていく。 *住まい・施設の整備に言及、量とスピードが問題。 |
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| ここが問題 介護保険制度「最終まとめ」 |
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社会保障審議会・介護保険部会で検討された制度見直し事項に対し、退職者連合の医療・福祉専門委員会の部会長・川端邦彦さん(自治退)は、次のように解説した。同専門委員会は、この報告を了承した。 |
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<ペイアズユーゴー原則(注)> *ペイアズユーゴー原則に忠実に、現行制度の財政枠の中でいくつかの給付増分を負担増もしくは他の給付減で賄う算数に縛り付けられた結果、2005年制度改訂に続いて制度発足時の介護の社会化・尊厳ある生活という理念を否定する検討が進行している。 給付改善のシナリオとそれに必要な経費を計算して、低所得者対策を講じた上でこれに必要な保険料・税の負担を求めるべきである。(「社会保障国民会議」はこの手法の試算をした。) *選択と集中は一般的に必要だが、介護保険制度について「軽度者」「低所得者」を軽視・切り捨てることは、介護の社会化・尊厳ある生活理念に照らして誤った選択である。 編注:「ペイアズユーゴー原則」=払った者だけが通れ!? 「ペイアズユーゴー」とは「pay as you go」のことで、国家予算の策定などで、新規の支出や減税などを行う際に、財源確保を義務づけて収支のバランスを取ること。 例えば、「厚生労働省の社会保障審議会・介護保険部会で委員を務める土居丈朗氏(慶応大経済学部教授)は、施策の新規導入や拡充に財源確保を義務付ける「ペイアズユーゴー原則」の下で給付の拡充を盛り込んだ制度改正を実現するには、利用者負担や保険料負担の引き上げは避けては通れない」との見方を示した。 現政権はこの「ペイアズユーゴー」を原則としており、介護保険の施策をより手厚いものにするためには、そのための財源確保が義務付けられているので、利用者負担や保険料の引き上げは避けて通れない、という考え方になる。 <個別見直し事項> (1)高所得者の自己負担引き上げ=第6段階の自己負担を2割に<慎重意見併記> →所得は保険料に反映すべきであり、利用抑制効果を狙う一部負担増は認めがたい。かつ、介護は一過性の負担と異なり終期が分からない負担となるので、将来見通しが立たない。反対 (2)要支援・軽度者給付見直し=介護保険対象外化・自己負担2割への引き上げ<反対意見併記> →要支援者・「軽度」とされている高齢者の多くは保険給付を支えに在宅生活を維持している。重度に給付を重点化し、軽度切捨てを進める判断基準は制度の本旨に悖(もと)る(そむく。理にさからう)。 05年改訂で生活援助サービスを削減した結果、生活に困難をきたした高齢者が多数発生した。今次はその修正を図るべき。検討が伝えられる生活支援サービスを自治体判断で除外可能にする選択肢は、代わるべきサービスを用意できる自治体の存在が期待できない中では軽度者の切捨てでしかない。予防給付の自己負担増もこの文脈の中にある。反対 (3)居宅介護支援の自己負担導入=居宅介護支援月1千円、介護予防支援月5百円の自己負担 <危惧・慎重意見併記>→ケアマネによるプラン作成は、充分情報を持っている事業者と持っていない利用者が適切に契約を結ぶため利用者の代弁をする機能を持つ。有料化は将来の増額の入り口であり、負担に耐えられない利用者がセルフプラン作りに向かえば、情報の非対称性による不適切な契約が多発する。自治体の一般施策で代替できる環境にもない。反対 (4)補足給付の支給要件の厳格化=市町村が施設入所前世帯の所得などを支給要件に追加可能 →そもそも全利用者中高い率で適用されている補足給付は制度発足時の保険給付に戻すことが適当。検討過程で示された資産調査は該当者のスティグマ(=stigma. 汚名の烙印を押される)をもたらすうえ事務コストが膨大で、認めがたい。施設入所前世帯の所得把握も同じ問題を持つ。今次提案に含まれていないが、保険外給付に移す案は空論をべつにして現実には多くの市町村で給付消滅が想定され、低所得者の切捨てでしかない。反対 (5)多床室の室料負担の見直し=第4段階以上から3施設の多床室の室料月5千円を徴収 <現状維持意見併記>→個室化を急ぐべき。相対的に劣る生活環境の多床室は過渡的な存在として室料負担を求めるべきでない。反対 (6)第2号保険料の総報酬割導入 <反対意見併記>→あるべき姿として応能負担が望ましいので、計画的に関係者の理解を得つつ実施すべき。反射(注)として、圧縮される国費負担は合意の得られる制度内給付改善に充てるべき。 川端さんの説明:「反射」の用語 *語義:制度判断ではなく、自動的にそうなるという意味で厚労省が使用している。 *意味:従来定額で負担していた2号保険料は、賃金単価の低い協会健保には能力を超える負担となる。その緩和のため一定の公費が投入されていた。これを総報酬割に変えれば、能力に応じた負担になり、公費による支援は<反射として>不要になる。高齢者医療でも今回75歳以上への支援金相当分は総報酬割に切り替えるので、反射として国費は一部圧縮される。 (7)介護報酬プラス改訂=+2%強の(1.5万円の介護職員処遇改善交付金相当)報酬改訂 →交付金を制度外付けから制度内に取り込む場合、労使交渉で自律的に適正分配される関係が成立するまでの間は現交付金と同じ程度に確実に処遇改善に充てられる保障が必要。制度内化を自己目的化して、その財源確保のため合意を得られない他の給付・負担に転嫁することには反対。 (8)「24時間地域巡回型訪問サービス」 →速やかに態勢を整え実現すべき (9)「披保険者の範囲を40歳未満に拡大」「公費負担割合を6割に引き上げ」は見送られる見込み。 →不満。 |
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