事務局便り

福島原発事故――ロンドンでCNDが集会

発信:国際運輸労連/浦田 誠

 
 英国のCND(核兵器廃絶運動、Campaign for Nuclear Disarmament)が20日に呼びかけた、福島の行方を見守る集会(vigil for Fukushima)に約100人がロンドンのホワイトホール前に集まった。道路をはさんだ真向かいは、首相官邸のダウニング通り。CNDは、1958年 に結成された反核平和団体。
 
 集会には、労働党のJ・コービン議員、緑の党の代表や環境保護団体、地球の友(Friends of the Earth)などが加わった。
 冒頭に全員が日本の地震・津波で犠牲になった人々に黙祷。主催者は、喪章を参加者に配った。

 CNDは、今回の大震災が日本という地震国で起きたことに留意しながらも、原発事故がチェルノブイリやスリーマイル島など、地震とは無関係 な地域で 起きてきた歴史を強調した。
 英国でも、1957年10月にカンブリア地方のウィンドスケール(現セラフィールド)で火災事故が発生しており、 国際原子力事 象評価尺度(INES)でレベル5を記録している。

 代表のケイト・ハドソンらが警告したのは、気候変動への対策として「核のルネッサンス」が広がりつつあるという今日の状況である。巨大ビジ ネスとし て核エネルギーは甘みがあるため、国会議員などへのロビー活動は熾烈で、風力や潮汐を使う電力の開発を脇に追いやっている。福島の大事故を受 け、「核は安全でクリーン」という神話を葬り去らなくてはならないと主催者は強調した。

 集会は、地球の友による反核署名の推進と、英環境相に引き続き脱原発政策を求めることを確認した。
 私も急きょ、発言を求められた。そこで、地震と津波という自然災害には皆さんからのお見舞いの気持ちがとても嬉しいが、福島原発の事故は人 災であ り、これは国際的に弾劾されなくてはならないと訴えた。
 政府や東電からの情報が限定されいることはすでに海外のメディアからも非難されている が、過去の事故でもデータを改ざんした前科があると続けた。しかし同時に核開発を政府が推進する立場を取る以上は、同様の問題が英国で起きてもおかしくは ないとも触れた。
 最後に、現場で対策にあたっている人たちを英雄と称える報道が見られることについて、本来あそこにいるべきは原発を推進してきた人たちで あり、労働者 たちがその犠牲を強いられていることに怒りを感じると述べた。名もなき彼らの多くはまた、下請けや子会社の作業員でもあるのだ。本当に彼らの決死の努力に敬意を表するのであれば、今ここから核なき世界をつくる決意を新たにしなくてはならないと私は締めくくった。

 終了後は直ちに、戦争阻止連合(Stop the War Coalition)による「リビア空爆に反対する緊急集会」が同じ場所で開かれ、ここにも大勢が参加した。

 私は、香港、中国、トルコのインディ系のメディアから取材を受けたが、気になったのは「在ロンドンの日本人に原発事故のことを尋ねても、反応が控えめ」という彼らの困惑。どんなときでも真実を追究し、何事についても意見する精神を失ってはならないと私は思う。
 集会には、ロンドン在住の ジャーナリスト、ノブさんら数名の日本人が参加。一人は、友人が今でも福島原発に残って活動をしていると語った。聞くと管理職のようだが、それでも心配な ことだ。在英の日本人を中心に、この問題についてもっと発信していきたいと思う。